雨の音がうっさい。
打ちつける音がうっさい。
誰だ、雨に色がついてるとか言ったんわ。
雨に色なんてついてないじゃん。
嘘つきな。
そんなことを言ったのは、アイツだったな。
そうしてそれが思い出となった。
雨で髪がボッサボサになって何だか鬱々としてワタシに、雨には色がついていると言って、
私は、そうなんだろう、そうなんだろうと思ったのだった。
雨の音がうっさい。
打ちつける音がうっさい。
誰だ、雨に色がついてるとか言ったんわ。
雨に色なんてついてないじゃん。
嘘つき。
アイツが突然いなくなって、その後の1ヵ月程は、
家の中でもコンビニでも書店でもどこでだってアイツの姿を探していたのに、
半年も過ぎると探すことすらしなくなって、それがすんごい嫌なことで、
それでも、雨に色がついてるという言葉だけは覚えていて、
やっぱり嘘つき。
色は涙についていたわ。
記憶の分だけ涙に色がついていたわ。
赤や白や緑や青や黒やオレンジや青。
雨になんか色はついてないわ。
嘘つきな。アンタは。
雨に色なんてついてない。
涙に、色がついてたわ。
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