2011/03/02

すりたまトマト


冷蔵庫に入りたいんよ、冷蔵庫に入ってしまって、その中は想像するだけでも冷え冷えで、そうして見る世界はいかに温度が変わるか、そういったことを知りたいんよ。
冷蔵庫の中っていうのは学校なんか、冷蔵庫の中っていうのは、学校なんかな?だって、野菜室っていうのとかチルド室っていうのがあったさ、それはあれか、言うなれば、校長室とか保健室みたいなもんなのか、入れられる食材にとっての教室みたいなもんで、その部屋って言うのは、やっぱりアレかね、リラックスとか出るのかね、楽しいんかね、
それとも、緊張すんのか、あいつずる休みだよと言われるような感じなのか、でも、もしももしもよ、トマトがさ、トマトが間違って、や、こういった間違いは絶対にあってはならんことだけども、それはトマトにとっても我々にとっても、でも、もしもあったとしてさ、そうなったらどうなるだろうね。それは悲惨だろうね。あ、もしも、トマトを冷凍庫にいられたらっていう話。だって、トマトは普通に冷蔵庫に入れられるつもりでスーパーマーケットから引越しをしてきてさ、もう準備万端なわけでしょ、さぁ、私は今から冷蔵庫で冷え冷えさ、冷え冷えでさ、冷蔵庫に入るんよ、そうして見る世界の温度ってやつを知りたいんよ、っていうこと。
それが冷凍庫に入ったら、そういったプランは一切合切なくなってしまって、沖縄行きに飛行機に乗ったつもりが実は北海道行きだったようなもんでしょ、それっていうのは。
そうしたらトマトだって、ビックリというかショックというか、思わず言うわ、そんなバナナ、やや、トマトはバナナじゃないことはわかっていますが、それでも、多分、絶対に言うと思う。
そんなバナナ、もう一回ぐらい言っておく?せっかくだから言っておく?そんなバナナ。
でさ、私はね、私はそんなトマトの無念を晴らしたいわけよ、そらそうでしょ、冷蔵庫に入るつもりが、
最終的には、口の中、胃袋の中かもしれんよ、それはね、だけども、一旦は冷蔵庫の中に入る覚悟を決めたのに、それが冷凍庫でしょ、それは敬意を示すべきだと思う。
だから、私は、トマトをせめて砂糖漬けにして、甘くして、さらに、ハチミツとか入れてさ、肌もツルツルにして、食べてやりたいと思ってる。
また、ドレッシング状態にしてしまって、そこはかとなく香りで楽しみたいと思っておるのです。
それが私に出来る、最大限の敬意よ、リスペクトよ、思いやりよ、でも、一体、私はトマトの何であるのよ。

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