あれからどれぐらいになりましょうか、私は橋の上に立っております。
周りに人は30人ほどおりまして、一人がアナタは立ちすくんでおりますね、と隣の人へ言うと、また隣へアナタは立ちすくんでいますね、というものだから、
それがついに私のところにもきて、それを止めてはいけないと思ったのですが、私は思わず、アナタは立ち尽くしているのですか?などと質問してしまったので、
その隣の人は頭を抱え、理由はわかっております、訳は知っておるのです、アナタだってそうでしょう?そうなのでしょう、理由を知れば半分は解決と言いますが、
9割は解決していおるのですよ、それはわかっていますよ、アナタだってそうに決まっていますと言います。
どうして私は鉄板ではないのでしょうか。や、せめて、木の板ではなかったのでしょうか。
その橋は途中で切れていて、その間は5メートルぐらいでしょうか。そうしてまた、間、空、を設けて橋は続きます。
橋のあっちに何があるのか、その間を行った人は帰ってきません。
死んでしまったと申す人もおりますが、美女に囲まれてすごしているという人もおりますし、強制労働を強いられているという人もいますし、
不治の病にかかったという話も聞きますし、その先なんてないということも聞きます。
なにせ、狭い空間ですがら噂は耐えません。
それでも、あっちに行きたいと行かねばならないと思うことは確かなことで、どうしていいのかわからない私の中で唯一確かなことはそれだけです。
どうして私は鉄板ではないのでしょうか。や、せめて、木の板ではなかったのでしょうか。
あっちに行った人には、ホップステップジャンプして行ったりした人もおりました。
しかし、私も含めた多くの人はその、間、空、を前にして立ち尽くします。
そうして、アガガガガガ!と落ちてしまうのだろう、アガガガガ!と堕ちてしまうのだろうと思い、
悩み悩んで恐怖で動けないでおります。
ジャンプに失敗した人もおりますが、不思議なことで、何日かすると再び私たちと同じ集団におったりもしましたが、
噂では、あっちに行った人もおると聞きます。狭い空間では噂が絶えません。
私たちの手には、それぞれ金づちを持っている人もいますし、木の板を抱えている人もいます。
何も持ってない人もいますが、釘を持っている人もいますし、力こぶを持っている人もいます。
そーいえば、背中に鳥の羽がついた人もおりました。頭にヘリコプターをつけた人もおったような気がします。
噂では、ジェットがついた人もいたそうです。狭い空間では噂が絶えません。
あれからどれぐらいになりましょうか、私は橋の上に立っております。
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